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北海道旅日記1 小樽

いままでの人生で縁のなかった北海道に、この1年間で何度も足を運ぶことになりました。
観光といいたい所ですが、それをするほど生活に余裕はなかったので、その全てが仕事として、でした。
そこで僕は多くの経験をして、多くの感情を抱きました。
ここではそんな北海道での体験記を紹介していきたいとおもいます。

幻想的な小樽の夜

北海道での仕事がなかなか順調に進まなかったので、気晴らしに行き先も考えず、雪の中車を走らせていると、道路の頭上の看板に「小樽」という文字が見てとれたので、聞いたことがあると思い、そこを目的地とすることにしました。
僕にとって「小樽」とは、ただ夜景が綺麗だ、というイメージしかありませんでした。

そのときの仕事の現場は札幌の郊外でした。
だから比較的に小樽は近くて、1時間位高速道路を走れば着くことが出来ました。
小樽に着きパーキングに車を止めて外に出ると、小樽の冬の風が肌を突き刺し、寒さを超えて痛みを感じました。

小樽はとても幻想的な町でした。
洋風の建物に、どこからか鳴り響くオルゴールのメロディー、ガラスやキャンドルを売る雑貨屋、そして何よりも雪化粧がとてもよく似合っていました。
それはまるでどこか別の、いうならば物語の中の世界に飛ばされたかのようでした。
その世界は僕にはとても居心地がよく、なんだか少しだけ童心に返った気がしました。

純情そうなカップルが多い中に、スーツを着崩した男が1人、端からみるととても違和感があったと思います。
でもこの仕事をして、1人には既に慣れた。
最近では、自分は1人が決して嫌いではない、とさえ思い始めたくらいでした。

星に願いを

「星に願いを」のオルゴールを買いました。
最後までシューマンの「トロイメライ」か、パッヘルベルの「カノン」か、どれにするかを迷いましたが、北海道は本当に星空が綺麗で、それを見たときの感動を忘れないためにも、この曲を選びました。

この世界から帰りたくなくなりました。
現実に戻ると、また綺麗でない仕事と世界が待っている。
この町に住み、名物のガラス細工やオルゴールを扱う小さな雑貨屋を開いて生きていけたら、それはとても幸せなことだと思いました。

でもそれはきっと僕の人生ではないから。
なんだかんだいって地べたを這いずり回る仕事は良く合っている。
それに本当は、僕は星になんて願いはしないから。
だから少しの間だけ夢を見て、それからまたいつも世界に戻ることにしました。