北海道の歴史
ここでは北海道の歴史を紹介していきたいと思います。
ただ紹介するだけじゃ面白くないと思うので、ここでは小劇風に紹介していきます。
登場人物の性格や話口調など、若干僕のオリジナルの部分もあるので、明確な史実としてではなく、エンターテイメントの一環として見てもらえたら幸いです。
クラーク博士の変革
今回の登場人物:ウィリアム・スミス・クラーク(札幌農学校の教頭) 黒田清隆 (北海道開拓使長官)
北海道開拓使長官の黒田清隆と、北海道大学の前身である札幌農学校の教頭として有名なクラーク博士の一幕です。
Be Gentleman(紳士たれ)
ドアをノックして教頭室に入ると、気難しい顔をした髯面の西洋人がニス塗りの机に両ひじを立て、仰々しく座っていた。
その姿が、どこか私には人間離れした神々しさを感じさせた。
彼が北海道開拓の重要人物であり、当学校のお雇い外国人でもある、クラーク博士だ。
学生たちからの支持は熱いようだが、私としてはどうも、異国人に教鞭を取らせることが気に食わない。
日本人よりも彼らの方が優れているとでもいいたいつもりなのか。
…まあ今日はそんなことを言いにきたわけではない。
「博士、当学校の校則がまだ明確ではないので、決めていただきたいのですが」
そう。今日は北海道開拓の先鋒としての存在であり、この土地の今後の未来を担う重要な役割を果たす当学校の、校則を彼に相談しにきた。
いくら立場は教頭だといっても、彼は実質、当学校の一番の権力者。
異国人に学校の核ともいえる校則を決めさせるのは癪だが、立場上仕方がない。
「どうしますか?従来の高等教育のスタイルを模倣して、日本人らしく厳しいものにしますか?」
「いやその必要はないよ、校則は1つでいい」
「Be Gentleman(紳士たれ)」
「紳士たることを、当学校の校則とする」
「…紳士、ですか。それは具体的にはどういうことですか?」
「今の日本は発展期に入っている。それは人も、そして国も同じことだ。その発展期に、従来の日本の高等教育機関のスタイルを模倣した雁字搦めな校則を適用すれば、それはまるで、太陽に向かって伸びる向日葵の上に、鉢をかぶせるようなものだ。発展を阻害する大きな要因になることだろう」
「だから校則はBe Gentleman(紳士たれ)でいい。この校則はフレッキシブルな性質を持ち、それが課されたものにより、色を変える。どう紳士であるのか、そのために何をすべきなのか、それは課されたもの自身が考えなければならない。漠然としていて、しかし一方ではとても厳しいものだ」
発展に必要なもの
…異国人は本当に独特な考え方をする。
しかし私には、今の日本になぜ彼が呼ばれたかが、少しだけ理解できた気がした。
必要なのは、堅持することではなく、発展することだ。
もしかして彼のような人間が多くいれば、この国はさらなる発展を遂げることが出来るのかもしれない。
部屋を出る際、私はもう一度、日本人離れした彼の顔を見た。
机のコーヒーカップに注がれているその目には確かに、何かを変えるために必要な、ある種の力強さが感じられた。
